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15年前に書いたエッセイを大公開!第3弾!

移動に要すること3時間弱、俺は自分の実家であろう洋館の前にたどり着いた。

「驚いたな。こうも大豪邸とは・・・」

 ここらいったいは住宅街なのだが、この洋館だけは群を抜いており、庭周辺の森林地帯もおそらくはここの土地なのだろう。

「―――ぁ」

俺が家周辺を観察していると、視線を横から感じ振り向くと、金髪でツインテールの少女が驚いた顔でこちらを見ていた。両の手には買い物袋、見るからに外国人だろう―――言葉は通じまい。いやそもそも驚いたことからしてここの家主の子供なのだろうか??

「こんにちは。夷月さんですね?」

 そう疑問に思いながらとりあえず英語で挨拶でもしておくかと思ったところで向こうから日本語で声がかかる。いや、今なんて―――。

「え?あ、ああ、そうだが。君は??」

「私は如月葵といいます。この家に1年ほど前から厄介になっている者です」

「そうなんですか。俺は今日からいつまでかはわからないけどこの家にご厄介になったんだ。よろしくな」

 ―――と、今まで太陽のごとくまぶしかった笑顔が消える。そうか・・・、俺がこの家に永住すると思っていたんだな・・・。

「ここに戻ってきたのではないのですか?」

「いや、残念ながら・・・。ちょっとした用事があってここに来たにすぎないんだ・・・」

「・・・そんな、ここは夷月さんの家なのですよ?それなのになぜ!」

「―――」

 言葉が思いつかない。僕は魔術師で、峰崎家として生きてきたのだ。ここへ戻ってきたのは護衛のためだなんて言ったところで、到底信じてもらえないだろう。

「とりあえず、中へどうぞ夷月さん。葵も夷月さんをいつまでも外で待たせてはいけないでしょう」

「・・・ごめんなさい」

 そのインターフォン越しの言葉で胸をなでおろす。いきなりインターフォンから声がかかるということは隠しカメラでも設置しているのだろうか。いや、会話まで聞こえていたあたり盗聴器もついているようだ。―――まぁ、マフィアが攻め込むのだからこの程度の設置は必須か・・・。

「それでは中へどうぞ」

「ん、ああ、おじゃまします」

 俺も余計なことを言ったものだと苦渋の笑みを浮かべてしまう。葵にはすっかり出会いがしらの笑顔が消えているからだ。

 葵の後に扉を開ける。と同時に驚いた。自分が目前にいて葵とそっくりの人間がいたからだ。つまり双子が二組いるのことになる。そしてその後ろに年若い、女性が。年齢にして二十五・六ほどだろうか。そして隣には小太りのひげが印象的な男性が。

「どうしたの?葵。あんなに楽しそうにしてたのに」

「ううん、なんでもないの。それより自己紹介しなきゃ」

「あ、そうだね。私は如月茜。葵の双子の妹だよ」

「僕は宮木一郎。君の双子の―――兄だよ」

 と、ここで何かしらの違和感。なぜだかここにいる全員が俺に遠慮なり、作り物の笑みに見えるのだ。もしかすると既に俺の境遇については全員知っているのかもしれない。

 雰囲気を下げるのも躊躇われる。ここは黙っていることにしよう。

 「私は工藤あやめです。この家の奉公人ですわ」

 工藤あやめこの中で唯一俺の正体を知っているもの。その人間が奉公人?てっきり館の主を想像していたが、思い違いのようだった。

「わたしは執事のセバスチャンと申します。気軽にセバスとお申し付けくださいませ」

 と、ひげの男がお辞儀をする。

「よろしくお願いします」

 工藤には聞きたいことは山ほどある。ここの家主について、マフィアがこの家を狙う理由。そしてその関連性などなど。何より俺についての取引というのが気にかかる。

「こっちだよ~!」

 茜が走り出し、リビングへ赴き、二つあるソファーへ招く。

「はい、一郎はここね。葵はそっちのソファーで夷月の隣!」

「ちょっと勝手に決めないの!」

「そうだよ、それにいきなり呼び捨てだし」

「えー!だって一郎のことを呼び捨てなんだから双子の夷月を呼び捨てにしてもかまわないじゃない?」

「にしても順序ってものが」

「ごめんなさい、夷月さんこの子、本当に礼儀知らずで」

「むっかー、葵、夷月のまえだからっていい子ぶってるー!」

「別にいつもの葵だと思うんだけど・・・」

「あー、別にどう呼んでくれても構わない。むしろ呼び捨てのほうがお互い気兼ねなく話せるんじゃないか?」

「そうだね、それじゃこれからよろしくな!十八年別々に暮らしていたんだし、これからはその分まで楽しもう」

 その言葉で葵と茜は堰を切ったように泣き出した。見れば一郎も涙ぐみながらも微笑んでいる。それに何の感慨も出ない自分はやはり人とは違うものなのだなと思うと不甲斐なくて苦渋してしまう。

「夷月さんこれからよろしくお願いしますね」

 今まで微笑ましく俺たちのやりとりを見ていた工藤だが、その表情は少しだけ悲しげに見えた。

「ええ、こちらこそ」

「それじゃ、いつまでも泣いてないで、昼ごはんの用意しましょ!」

「そ、そうだね!昼は何にするのあやめ~」

「昼は出前でお寿司よ」

「おー!お寿司お寿司~!」

「夕飯は久しぶりに腕を振るいますわよ」

「あやめ私も手伝うわ」

「葵最近料理手伝うようになったよねー。もしかして・・・」

「な・・・なに言ってるのよ!そういう茜もたまには手伝いなさいよね!」

 茜にむふふといやらしく笑われて激昂する葵。

「わたしはいいもーん。料理するなら一郎といたいしー」

「まったくいつもいつもべたべたと・・・」

「ちょっと二人ともあんまり変なこといわないでよ!」

「あははははは、一郎照れて顔真っ赤だよ」

「んな照れない!いい加減怒るよ!」

「一郎が怒った~!逃げろー!」

 茜は一目散に逃げ出した。

「ごめんね、夷月。騒がしい連中だろう」

 そう苦笑いする一郎だがまんざらでもなさそうだ。

「いや、楽しそうでいいじゃないか。うちとは正反対な環境だがこれもまたいい」

 まぁ、ミリーという甘えんぼでやかましいのはいるわけだが、家の空気自体はやはり別のものだ。

「そういってくれるなら、助かるよ。ちなみにいつもこんなんだから」

「そうなのか。ところでさっきの会話からするに、一郎と茜は―――そういうことなのか?」

「え?まぁ―――あはは」

「まぁ、健全でいいことだわな」

「あはははは・・・。夷月はどうなんだ?」

「いや、俺はそういうのには関心ないな」

「え?まさかと思うけど男の方が好きとか?」

「なわけないだろう。縁がないだけだよ」

 正確にはそんな時間が許されなかっただけだが・・・。魔術のみで生きてきたため

色事沙汰に興味がないというのも事実なわけだ。

「縁ならすぐそこにあると思うんだけどな~?」

 とキッチンで既に夕飯の準備に取り掛かっている葵に、わざとらしく大声でほのめかす。

「一郎さんまで何をいうんですかー!」

 それからときたま一郎は葵をからかったりしながら、不思議と話に花が咲いた。

 生まれた環境は違うとはいえどもやはり双子だからだろうか。時間も忘れて話し込んだのだった。

 夕食時。

 夕飯は準和風だ。豚の生姜煮、具だくさん味噌汁、マカロニサラダ、ごはん

そして、中央にででんと大きく構える伊勢えびが刺身として調理されていた。

「豚の生姜煮は葵がほとんど作ったんですよ」

「へぇ、実によくできてる。見た目だけで味がわかるな」

「あ、あまり自身がありませんが、あやめに教えてもらいながらだったので。その味があわなければ、片付けますので」

「葵ったらすごい真剣でしたわよ」

「あやめ!」

「わぁ、こわぁ~い」

 葵はクスクスと笑いを堪える一郎と茜ににらみつける。俺は苦笑いをしながら端を取り―――。

「それじゃいただきます」

「いただきま~す!」

 まずは葵が作ったという生姜煮から手をつける。

「うん、うまい。肉もほどよく柔らかい」

「柔らかさを頼むにはしゃぶしゃぶの段階で火を通しすぎないことなんですよ」

「へぇ、なるほど―――、ん?食べないのか?」

「ああ、ごめんごめん。葵があんまり幸せそうにしてたのもんで、つい」

「なっ―――!」

「なんか葵のそんな顔するの始めてかも」

「もうからかわないの!―――それより夷月さんは峰崎さんのお家ではどんなもの食べていたんですか?」

「ん、品目はこことあまりかわらないかな。どっちかというと味よりも栄養のバランスと量を重視した食事がほとんどなわけだけど」

 調理をするのはミリーだ。ああ見えて、家事の世話をきっちりとこなす奉公人でもあるのだ。調理の腕もたいしたものなのだが、味は二の次なためたまに、薬品を食べているのではないかと思うことさえあるが。もちろんミリーのいたずらとは考えたくはない。うん、断じて。

「あら、私もちゃんとそこらへんは管理しているのですよ?」

「ええ、わかります。ただ家の場合は度が過ぎているというか・・・」

「これからは工藤の料理だから安心だな!」

「あ、ああ・・・、そうだな」

 言えない、期間限定で厄介になるなんてことは・・・、まだ・・・。

 

 夕食を終え、4人でリビングでくつろぎ、時刻は十時。

葵と茜はそろそろ寝るそうだ。一郎はというと自部屋でゲームでもやりたいらしい。

 俺もゲームに誘われたが少し外の空気に触れたいと伝え自体させてもらった。

 就寝の挨拶を交わし、各々の部屋へ向かった。

 ちなみに宮城家の間取りは一階にリビングにキッチンにお風呂などなど、生活に役立つものが置かれ二階は完全に洋室が六部屋用意されている。三階には眺望の良いルーフバルコニーがある。よくここでバーベキューパーティなど嗜むらしい。

・・・俺は一人、バルコニーへ向かう。

 北から西にかけて方面は森林地帯、南から東にかけては宮城邸の庭だろう。

 五月とはいえ夜間ということもあり薄着では少し肌寒い。だからこそ、これから起きうるだろう悲劇を一時的にでも忘れさせてくれるような感じがするのだ。

 今でこそ美しいこの洋館の土地も戦いがあれば血でよごれ家も所々崩壊してしまうことだろう。一郎たちにはトラウマにはなってほしくはないものだが・・・。

 全く作戦とはいえ一郎たちに何も伝えることができないというのも酷な話だ・・・。

 しばらく俺は空を眺めること三十分。そろそろ頃合かと思い工藤の元へ向かう。もちろん戦いのことについてである。

向こうが親切に教えてくれるかは謎だが、こちらも伝えておかなければならないこともある。

幸い工藤部屋はバルコニーからの階段から最も近かったが、一郎たちに気づかれないためにも出来るだけ静かに階段を下り工藤の部屋をノックする。

「はーい」

「夷月です」

「どうぞ、入ってください」

「どうも、例の件でお話が・・・」

「ええ、そうね。その前にどの程度知っているのかしら」

 俺は昨日詩穏から聞いたことを簡単に述べる。マフィアのこと。

マフィアの中に魔術師がいる可能性があること、そして俺の境遇について。

「そう―――、あらかた内情は把握しているみたいね。それで聞きたいことは何かしら」

「そうですね。まずあなた自身が魔術についてどのくらい知っているのか・・・ですね。」

「魔術ね・・・。なんの武器も持たず破壊を行える者という認識かしら・・・。正直信じがたいのだけれど・・・」

「なるほど・・・。あらかた間違えてもいませんが。まぁその程度の知識で十分でしょう。魔術師とは神秘の力を使う者、そしてこの世と決して相容れない者です。今の時代科学が発展しているため、優に見ることはなくなりましたが、科学では到達できないことがあるならば、魔術でなければ成せぬ事もある。マフィアに魔術を平気で使うものがいるという時点でそいつはとある組織に罰せられなければならないはずなのですが・・・」

「タブーにも関らず不可思議な力を利用しているわけね」

「そうなります。ですから万が一魔術師が現れたなら一対一の殺し合いに持ち込めるのがベスト。正直俺は未熟な魔術師です。相手が一流ならまず勝ち目はない。その場合、敵の足止めが精一杯だということを了承していただきたい」

「ええ、その一流の魔術師というものを止めていただけるで、助かるわ」

 工藤はそういうと俯いてしまう。こんな子供に戦えといっている自分を責めているのかもしれない。

「工藤さん、魔術師とは死を容認しています。ですから血に濡れることも恐れないし、殺すことも躊躇いませんよ」

「そう・・・。強いのね夷月くんは・・・」

「いえ、魔術師の基本ですから」

「―――」

 様子が変だ。俺の生い立ちについて何か知っているのではないだろうか・・・。

まぁ、それも後で聞くことにしよう。

「―――それで、こちらの援軍についてですが」

「それなら手を打っているは、とはいえあまり派手な動きは取れない以上、襲撃にあってから最低でも一時間はかかるわね、それまで私たちが持ちこたえるのが今回の戦い。そして葵たちや一郎さんセバスさんにもこの事は内密に。こちらの奇襲がばれていたとしられてしまうから、普段どおりに生活を送ってもらう」

「賢明ですね。こちらのスパイがいると知られれば少し面倒ですからね」

 たとえ詩穏の思念通話であろうが、あちらも何かしらの対策を練ってくるはず。

「それともちろんこのことは軍事上層部しか知らないから安心して頂戴」

「わかりました。これでだいたいの情報は得ることができました。それで―――、これとは無関係に聞きたいことが」

「峰崎家になぜ自分だけが引き取られたか―――でしょう?」

「そうです。取引とはなんです。今の自分に不満があるわけではない。けど裏で画策されていることが知りたいのです」

「―――ごめんなさい。それは私にもわかりません」

「なぜですか!?」

「それは夷月さんのお父様に―――、宮城総一郎がすべてを知っているわ」

「魔術の話をしたとたん顔が陰ったように見えましたが?」

「それはあなたが魔術師として峰崎家へ引き取られたから。私が知っているのはこれだけよ」

「それについて何も疑問に思わなかったと?」

「思ったわ。けど総一郎さんは何も答えてはくれなかった。だから本当のことを知りたければ父親に会うことね」

「その肝心の父はどこに・・・」

「彼はロシアの外交官をやっているの。なかなか忙しい仕事だから滅多に日本へ帰ることができない。だから―――」

「真実が知りたければロシアへ飛べと・・・」

「ええ・・・」

「まぁ、わかりました。とりあえずは、今回の騒動を抑えましょう」

「頑張りましょう」

 工藤が手を差し出す。握手の合図だ。工藤の手に俺の手を合わせる。

互いに笑顔などない。そこにあるのは守るといえば、綺麗だが、やることはやはり殺し、相手はもちろん銃で攻撃してくる以上こちらもそれ相応の反撃で応対しなければならない。

―――だから、そこにあるのは、ただ冷酷な戦士たちだった。

 工藤の部屋を出る。

 まずいな・・・。今の俺の顔はおそらくは魔術師としてのものだ・・・。もう一度外に当たりにいくか・・・。

 ・・・そしてルーフバルコニーへ。

 先ほどより風が強くなっただろうか。綺麗だった星空も今では雲で覆われていた。

 頭は真空だ。何も考えずただ中空を眺める。そんなことに飽きたからだろうか・・・。

 ふと、魔術を習い始めて、二・三年くらいの月日が経ったころの事を思い出していた。

「いいかい、夷月。魔術を扱うということは、自分の身を守ることだけではない。どんなに取り付くおうとも、それは人を殺める手段に過ぎないのだよ。だから魔術師とは自然と血に汚れる道を歩むことになる。まずはそれを許容し、何が正しくて何が間違っているのか。それをあなた自身で見つけなさい。あなたに魔術を教えるのは決して峰崎の義務を押し付けるわけではないのだから」

―――そう、詩穏の母が教えてくれた魔術師としてあり方、定義。詩穏の母も詩穏同等、義務というものの為かそれとも正当な魔術師だからか、自らの感情を微塵も感じさせないところがある。だというのにあの時の母の言葉だけは、ずっしりと心に突き刺さる言葉であったが同時にただ温かかった。

 理由はわからない。ただその温もりだけはどんなに月日が経とうとも忘れることはないだろう。

 風が止まる。そこで意識は現実へ戻ったと同時に、背後から階段を上る音が聞こえ、階段への扉へ振り返る。

工藤だろうか、と思ったが意外な人物だった。

「葵?寝てたんじゃないのか」

「なんだか目が覚めてしまって・・・。そしたらバルコニーの階段を上る音を聞いたもので。私もきちゃいました」

「そうか。というか、そんな格好でここにいる風邪引くぞ」

 葵の姿はネグリジェ姿だ。上着もなにもなしだから、さぞかし寒いことだろう。

「確かに、寒いですね。けどもう少しここにいたい気がします」

 にこやかにそう答えられて誰が断れるというだろうか。

「だったら・・・、―――ほれっ」

俺は上着を脱ぎ、葵に着させてやった。葵が身に着けたジャケットはぶかぶかだったが、暖を取るには最適だろう。

「あ・・・、それなら夷月さんが・・・」

「鍛え方が違う。この程度で参るものか」

「何かお稽古でもなさっていたんですか?」

「ん?ああ、まぁ空手を少々ってところかな」

 もちろん空手なわけがないが、俺が得意とする魔術は格闘選だ。だからまぁ、言い繕うにはこれがベストな訳で。

「空手ですか。いつからですか?」

「幼いころから今までずっと続けているよ。今はおやすみ中ってところだね」

「すごいですね。あやめも空手ではないですが武道には長けてるんですよ」

「へぇ、そうなんだ。今度お相手してもらおうかな」

「ええ、私も見てみたいです。あっ、もちろん寸止めですからね!」

「うん、わかってる。・・・ところで葵って普段から敬語なのか?」

「え、ええ、そうですね。基本的に敬語使うことが多いです。やっぱりおかしいでしょうか」

「いや、おかしくなどないが・・・。ただあやめや茜には普通に話すのになぜかなと思ってな」

「そうですね。あやめと茜は小さいころから一緒だったからでしょうか」

「つまり敬語が当たり前になってしまったという訳か」

「はい。あっ、もし夷月さんが嫌ならいつでもやめられます!」

「嫌なんて事などない。それも葵らしいといえば葵らしい。寧ろこれから社会人にでもなれば敬語は大事になってくる。だから誇らしげに胸を張っていればいいんじゃないだろうか?」

「そうですよね!―――あっ、そうだ」

「うん?」

「実はですね。三日の日には家族みんなでハイキングに行くんです。おいしいもの作りますから楽しみにしていてくださいね」

「ハイキングか。ああ、楽しみにしておく」

 その返事に満足なのか、それともハイキングを想像してか、葵は歓喜の笑顔だ。

ハイキングか・・・。峰崎ではそういう娯楽は一切なかったからな・・・。

 今までとは全く異次元といっていいほどの生活に戸惑いもあるけども、俺も期待で顔が綻んでしまう。

―――が、唐突に葵は顔を曇らせ・・・・

「夷月さん・・・、やっぱりこの家には戻ってこないのですか?」

「―――」

 風が再び吹き付ける。ここは正直に答えてやるべきなのだろうかと迷ってしまう。

 俺は峰崎の命令がない限りこの家にいるつもりはないのだと・・・。それが例え実の肉親が住まう土地だろうと例外ではないと・・・。

「ごめんなさい!そ、それじゃ、そろそろ寝るとしましょう。いつもでもここにいては体によくありません」

 答えが聞くのが怖くなったのだろうか。それとも俺の沈黙がすべてを物語っていたのだと気づいたのか・・・。

「―――そうだな。それじゃおやすみ」

「おやすみなさい」

 そして葵と別れ自室へ戻った。

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夕焼け

Author:夕焼け
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