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15年前に書いたエッセイを大公開!!中二病注意!!!

大剣が突きの形でみぞおち部分にあたり、俺の体は10メートル先の壁へと吹き飛んだ。

 「ドン!!」

 壁におもいっきり左肩から激突し、左肩は感覚すらなく完全に動かない。

これで左腕が機能しない。

「―――――くっ・・・」

 激痛を無視し、なおも追撃にかかろうとする敵に視線を送り、横へ飛ぶ。

が、遅い。

 襲い掛かる敵は人外の早さで剣を横になぎ払う。

「!!!!!!」

 なおも横に吹き飛ばされる。

 横に叩かれアバラは間違いなく粉砕された。

 あまりの衝撃に意識を失いかけるが、唇を噛み切ることでなんとか耐え切る。

 だがそれで終わり、本来ならこの時点で俺は敵に真っ二つにされているはずなのだ。

「今日はここまでね」

 凛と響くその言葉で今日の修練は終わりを告げていた。

 俺は消え去る意識を保つのに精一杯だったが、その声主が近づいてくる。

「Friedliche Ruhe. Wiederfinden, das aufhort und nicht ist,」

 そしていつもの如くそう呟く瞬間、俺の体全体をまばゆい光につつみこみ体を再生していく。

 そう彼女は魔術師なのだ。

 ちちんぷいぷいやアブラカタブラなど想像してくれて構わない。

用はそれに近い神秘を行える術を持つ者。

 それが魔術師である。

 その中でもこの回復してくれる魔術は割りとそう難しい魔術ではないらしいが彼女の扱うものとはまるで違う。基本は基本でも回復魔術というものは相当の魔力が必要なため何かの代償が必要なのだが、

 それを彼女はなんのペナルティもなしに実行に移しかえてしまうのだ。

 「今日もお疲れ様。ミリーもおつかれ」

「お疲れも何もただぶったたいているだけなんだけどね」

 そう屈託なく笑っているのはさっきまで俺の相手をしていてくれていた、大剣を扱う金髪の

少女だった。髪は腰まで長く、年は俺と同じくらいだろう。

 とはいえ修練のときは真剣というわけではなく彼女特注の2メートルはある巨大な木刀である。

 それを自由自在に扱えるのだから剣技としてもたいしたものである。

「ぶったたかれているだけというのは語弊があると思うのだが・・・」

これでも最初に比べればまだ対処らしきものは出来ていると自負しているのだから。

 そう、ほんとに最初に比べれば魔力もあがり、見切りは随分とあがったのだから。

―――まぁ、それも俺自身が魔術師としてではなくただの人だったころの話であるわけなのだが・・・。

「あまいわね。ただ戦いが長いびいただけで、ただの一回もミリーに一度も攻撃をあてられないじゃない。

 そんなことは、あなた自身がわかっているはず。それじゃ、今日はこれで終わりだからさっさと戻るわよ」

 そういうと彼女はミリーを引きつれ部屋を出て行くのだった。

「だぁあ、待ってくれ姉さん!」

 完全に痛みの消えた体を確認しながら俺は彼女たちを追いかけた。

まったく容赦がないのも峰崎詩穏の特徴であった。

 容姿端麗であり峰崎家の長女にしてここ見櫻町をすべる名家であり、ここらいったいでは珍しい豪勢な洋館に住んでいる。表向きはユリアンカンパニーという資産家であるが、その本業は何でも屋。特に暗殺の依頼が多くをしめる。その暗殺術に特化した我が峰崎家は古くからの魔術師としての家系でもあるのだ。

 魔術には親から子へと受け継がれる魔術刻印というものがある。まぁいうならば魔術師としての刺青みたいなもので、その証を持つものは何代にもわたる先祖様方の技術技能を受け継ぐことができるのだ。

 その証を受け告げられる者は初めに生まれる子供のみで、あとの子供には何もないただの一般人としての生活を与えられる。だが俺は例外らしく峰崎家の長男にして詩穏の弟にあたるわけだが、その技能は全く受けつがれないにも関らず、幼い頃から魔術師として鍛えられ続けていた。

「全く毎回毎回容赦ないよな・・・」

 修練を終えると、リビングでミリーの入れる紅茶を嗜む詩穏に思わずひとりごちる。

「お母様のご命令なのだからしょうがないでしょう。我慢なさい」

「全くなぜ俺まで魔術を習わないといけないんだか・・・」

「さぁ・・・、今までとは異例なのは確かよね。きっと何かお考えがあるとは思うのだけど」

「まぁ、今更なことじゃない。夷月はだまって私にぼこられていればいいの!」

「むちゃくちゃいうなよ・・・」

 この屈強な強さを持つミリーは詩穏に忠実な使い魔だ。その魔力量は半端ではなく、魔力を力や身の守りに変換させる、いわゆる戦士タイプだ。

 一方使い魔を扱う詩穏は魔力は全く感じない。もちろん魔術師なのだが、自身の魔力を覆い隠すペンダントを装備しているからである。

―――まぁ、つまり暗殺に特化した魔術師というわけだ。

 魔術師は魔術師の魔力を感じ察知することができる。故に誰が相手でもそつなく殺せるというわけだ。

 誤解を招かれては困るので説明するが、峰崎家の魔術師は秩序をもっとうとした家系だ。世界の秩序を乱す災厄を一秒でも早く切り取る。もっとも効率のよい手段を優先し、犠牲も最小限に留めるための暗殺技術を高く評価されている為、暗殺依頼はひっきりなしなのだ。

「姉さんもいつかは・・・」

 いつかは―――

 人を殺すのだろう・・・。

 峰崎家に生まれたとはいえ・・・

 峰崎家の義務に入り込む余地はないとしても・・・

 心を鉄に塗り替えてまで・・・、自分の夢も希望もないまま義務だけの未来だなんて、そんなものに身をゆだねる事にどうしても認めることなどできなかった。

「それじゃ私はもう寝るわ。ミリーも夷月も夜更かしはしないこと」

「おう、おやすみ」

「おやすみ~~」

 詩穏とミリーはそれぞれの部屋へ向かった。

 俺も部屋へ。窓辺からの月の光に誘われるような形で空を見る。

 俺の自己紹介が遅れたが、俺の名は峰崎夷月。普段は普通の高校に通う一年生だ。

 学校から帰ると大量に保管してある魔術に関する本を漁り、少しでも多くの術を覚える。もちろん普通の学生が学ぶ勉学もそつなくこなす。そして、この洋館で魔術の実践訓練と魔術を駆使した戦うことの修練を学んでいる。

 そう、戦う修練。

 本来なら学ぶことの必要性のない俺が・・・、ただの人として生を約束された俺にとって、魔術を習うなんてことは半端なものではなかった。今日のような地獄の苦痛を味わうとは常なのだ。

 魔術師の基本概念とは「生」ではなく「死」。

 魔術を行使することにあたって寸時でも意識が飛べば命ごとなくなるほど、危険な行為なのだ。

 だから魔術師はまず自らの死を認めることから始めなければならない。

 もちろん俺もその訓練は受けた。魔術の中で幻術というものがある。

俺が幼いころは詩穏の母親に修練を受けていた。

 それを詩穏の母の幻術で俺はなんども殺される光景を繰り返された。銃殺、刺殺、

焼死、凍死などなど。気が狂いそうなぐらいのありとあらゆる殺され方を魔術を習う手始めにされたのものだ。

 俺も自身さえ失いかける魔術訓練に耐え抜きある程度の魔術は使える。

 魔術には素質というものがあり、それぞれ人にあった適正魔術があるらしい。

その中でも俺の適正とは気功というものであり、至近での格闘タイプのようなのだ。

 故に俺の武器は自らの体のみ。この気孔を扱うことによってさまざまな技が扱えるらしいのだが・・・。

俺はまだ碌な魔術を何一つ使えずじまいなのだった。

 せいぜい魔力を気に変換させる工程を行い、作り上げた気を身にまとい体を鉄並みの硬さに変える程度だ。

 だが基本魔術である、重力調整魔術だけは結構得意だったりする。

 地球からの重力を変化させる術なのだが、重力軽減により空中に浮かぶこともできる。その逆も然りで、ターゲットの重力場を重くさせることで行動を鈍らせることもできる便利な術だ。俺がようやく扱えるようになったこの魔術も数年の歳月を消費したものだ。

 魔術を学びもう10年は経ちながらまだまだその程度なのだが、詩穏曰く、

 なんの魔術回路も持たない人間が魔術を教わりここまで達するのは尊敬に値するほど優秀・・・、

とのことらしい。まったく煽てるのも過ぎる。

「まぁ寝るか・・・」

 眠気も出てきた。俺はベッドに入り込むと疲れからすぐさま眠りについた。


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